コンタクトレンズによる角膜感染症について
2019.05.01
- コンタクトレンズによる重症角膜感染症が増えています。約50%は緑膿菌などの細菌、約30%はアカントアメーバです。背景にはインターネット等で気軽に買えるようになってきたこと(50%)、オシャレのためカラーコンタクトレンズをする方が増えてきたことなどが考えられます。
- 重症感染症になる前には、コンタクトレンズケースに前兆が見られます。コンタクトレンズケース表面にネバネバしたバイオフィルムが形成され、細菌、真菌、アカントアメーバ、蛋白質が含まれています。それらがコンタクトレンズ表面に付着し、感染症やアレルギーの原因になります。市販の歯垢可視化剤を着けて観察するとバイオフィルムが可視化されます。
- 緑膿菌は2〜3日で進行します。治療は角膜に優しい種類のニューキノロン系点眼剤の頻回点眼を行います。アカントアメーバは1週間〜2ヶ月で進行します。抗真菌剤やヨード剤はあまり効かず、PHMB原液をコンタクトレンズ保存液の50〜200倍にしたもの、クロルヘキシジン0.02%、ブローレン点眼剤(欧州で市販薬として販売)を頻回点眼します。
- オルソケラトロジーは就寝中に装用するため角膜が低酸素になり傷がつきやすく、瞬きによる涙液交換がないためアカントアメーバ感染症が30%に見られます。
- シリコンハイドロゲルレンズの表面は病原体が付着しやすいため、ケアをしっかりする必要があります。
お問い合わせ
〒604-8381
京都市中京区西ノ京職司町4番地1
TEL 075-803-1515